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「日本一きれいなハイキングコース」富岡アルプス 神成山 九連峰【とみおか観光ライター特集記事】

神成山(かんなりやま)九連峰は、片道約4キロの四季を通して楽しめる西上州のハイキングコースです。
残念ながら群馬の百名山には入っていませんが、2025年版の山の地図にしっかりと記されるようになりました。
地元の人にも、山好きの人にも人気のある山です。

人気の秘密はなんだろう?

人気の秘密、それは四季折々の風景が楽しめる、4月上旬から下旬までピンクや赤のツツジが楽しめる、コースがきれいに整備されているから歩きやすい、ゴミが落ちていない、眺めがよく、3時間ほどで周遊できる、展望が開かれている場所が多い、ラッピング電車が見られる、そんな優しくて楽しくて、身近なお山なのです。

オキナグサはどこに?

3月中旬から4月上旬に、オキナグサを求めて神成山にいらっしゃる方も多いです。陽が出てくると産毛に包まれた蕾が開き、海老色のベルのようなお花が咲きます。絶滅危惧種に指定されている「オキナグサ」は神成山にも自生していたようですが、今は新堀神社(にいぼりじんじゃ)の登山口付近、南蛇井駅(なんじゃいえき)、古代蓮の里、などに地元の方々によって保護されています。

日本オキナグサの詳細ページはこちら

登山口は宮崎城址

富岡市立西中学校の校門の側に、登山口の案内板発見!
「こんにちは!」中学生の元気な挨拶に後押しされて登山は始まります。
山城によくある堀切を過ぎると、赤い頭巾と前掛けをつけたかわいいお地蔵さまのお迎えや
、宮崎1丁目1番地にお住まいの、お不動さまもちょっと高いところから見守ってくださっています。

神成山の春は桜から

モノクロの冬から、そろそろ春を感じられる頃、薄ピンク色の桜の花が、そして桜と競うように、ピンクのミツバツツジや真っ赤なヤマツツジが登山道の両脇に咲き始めます。春は開花ラッシュです。
良く見ると足元には、ノジスミレ、アカネスミレ、ニオイタチツボスミレ、マルバスミレ、シソ科のジュウニヒトエなどが咲いていました。花の形が采配のような、サイハイランなども初夏になると薄紫の花を咲かせています。キンラン、ササバギンラン、エビネランなどもあり保護されています。4月上旬にはピンクのミツバツツジが、4月中旬からは赤いヤマツツジが咲き始めます。桜と新緑とカラフルなツツジに囲まれたハイキングコースは華やさが増します。
落葉広葉樹にも花が咲きます。アオダモ、ウツギ、アブラツツジ、ネジキ、リョウブ、などの花が7月頃まで咲きますので、是非見つけてみてください。

芽吹きの色彩がとても豊か

春は新緑。4月になり芽吹きがきれいな頃。若葉が出始めると、山が萌えていくのが日々わかります。沢山の新緑のバリエーションがある事に気付かされます。神成山のほとんどが、落葉広葉樹で構成されています。そのため新芽のカラーがとても多彩なのです。

秋の紅葉もお見事!

毎年11月下旬から12月初旬になると、神成山の紅葉が始まります。クヌギやミズナラなどのどんぐり系の樹木が多いので、黄色系の紅葉がほとんどです。ハイキングコースを歩いていると、「葉したもみじ」も見られます。秋から冬の澄んだ空気と紅葉は、癒しを感じられます。

冬の神成城址跡でのお楽しみ

神成城址跡近くの第1ピークで西上州の山々と長野県の御座山(おぐらさん)や八ヶ岳(やつがたけ)が微かに見えます。眺望を楽しんだ後は、是非ベンチに腰をかけて、目を閉じてみてください。木漏れ日を楽しんだり、ローカル電車の通る音に耳を澄ませたり。
落葉してしまった冬の森は明るく、小鳥の楽園にお邪魔しているかのように、頭の上を鳥たちが飛び回っています。鳥たちの「暮らしている様子」を想像してしまいます。

第2ピーク 龍王山

第2ピークには、三等三角点があります。ほとんどの方が休憩し、眺望を楽しんだり、登山記録に記帳したりもできます。御嶽山(おんたけさん)の方を向いた、立派な御嶽信仰(おんたけしんこう)の板碑(いたび)があります。今でもお祭りが行われているようで、春には第2ピークにのぼり旗が風にはためいていました。この近くから下山道があり、宇芸神社(うげいじんじゃ)に出られます。

第4ピーク 小さな小さな博物館と写真館

神成山に生息する小動物の標本などが展示されています。
神成山の四季の写真集やテンの剥製や虫、木ノ実、ケモノのフン、ペイントしてある干支の石などが展示してあり、地元の方々の歓迎ぶりを感じてしまいます。

山カフェ【山カフェ ドローム】

山カフェ【山カフェ ドローム】の「メニュー」は以下のとおりです。
おいしい空気 ¥0
いい景色      ¥0
のみもの持込 ¥0
この山カフェで提供しているメニューです。
お席が空いていればここで、持込のコーヒーやスイーツを是非どうぞ。


富岡製糸場の建設指導者フランス人技師ポール・ブリュナが生まれた、ドローム県に風景が似ていることから、このカフェの名前は「ドローム」と付けられたそうです。
実は、富岡製糸場の近くにも同じ名前の「カフェ ドローム」があります。富岡製糸場でポール・ブリュナが生まれたドローム県に思いを馳せるついでに、ドロームをコンプリートするのも楽しいかもしれません。


「いい景色0円」。西上州の山々はもちろんのこと、下界にはローカル電車や上信越道自動車道が見え、ここの眺めもおすすめです。つい長居をしてしまうカフェです。

宮崎城址と神成城址

お城ブーム。富岡市内にも多くの城址があります。
宮崎城址と神成城址があった付近には、お城の歴史が記載されています。
山に登りながら城址を見て、歴史を感じられる、それが神成山です。

ゆっくり歩く山

神成山は山頂を目指したり、コースタイム通りに歩かなくてもいいんです。景色を楽しんだり、時間を忘れてゆっくり歩く、良い空気を思いっきり吸ってみる、そんな癒しのお山なのかもしれません。

日本一きれいなハイキングコース

神成山を愛する地元の方々が、「日本一きれいなハイキングコース」を目指して、ゴミ拾い、登山道の整備、案内板の設置などをしてくださっています。

ハイキングコースのご案内マップはこちら

神成山 周辺おすすめスポット

古代蓮の里 世界最古の花 大賀蓮

1951年に千葉県で発掘調査の際に見つかった、3粒のハスの種のうちの1粒が発芽し、巡り巡ってこの地に根付きました。蓮の花見頃は、7月の午前中がおすすめです。

宇芸神社とムクロジの木

宇芸神社の歴史は古く、創建は平安時代。境内には他に9つの神社も祀られています。小さな神社にしては梁や木場鼻、柱に施された彫刻は手が込んでいます。きっと大切な心の拠り所だったのかもしれません。入り口には富岡市の天然記念物に指定されている、樹齢300年の「ムクロジ」の木が枝を広げています。ムクロジの種は珠数や羽子板に使われます。『無患子』とも書き、子どもが病気にならないように、とお守りにするそうです。冬には種が沢山なり、根元にも沢山落ちています。
宇芸神社の御朱印もあります。

富岡市名勝 宮崎公園のつつじ

宮崎公園内には約800本の樹齢100年以上のつつじや、珍しいオオヤマツツジなどが4月上旬から下旬にかけて咲き誇ります。県内では館林市のつつじが岡公園に次ぐ、つつじの名所だそうです。春にはつつじ祭りが行われます。公園内には、戦国時代に建てられた、国内最古級の民家が移築されていたり、六角などもあります。

神成山へのアクセス

【最寄駅】
上信電鉄 神農原駅(登山口まで徒歩約7分)
     南蛇井駅(登山口まで徒歩約15分)


【トイレ】
宮崎公園、新堀神社